1990年代、音楽を手軽に楽しむ手段はCDを入手する事でした。
CDを買うかレンタルする。もしくは友人から借りる。
それが一般的でした。
突然の出会い
学校の休み時間に友人のゆーくんから呼び止められます。
ゆーくん
せいくん、ちょっとこれ聞いてごらん
せいげん
うん、なに~?
突然の誘いです。
ゆーくんはおもむろにSONYのディスクマンを取り出しました。
そして、曲名やアーティスト名を伝える事もなく、突然片方のイヤホンを差し出してきます。
ゆーくん
つけてごらん
せいげん
う、うん(スポッ)
イヤホン初体験の瞬間でした。
♪あえな〜いときのむなさわぎ
♪せかいじゅうでこれほ〜どに
♪じぶんいが〜いのあのひとを
♪たいせ〜つにおもうな〜んて
流れた曲はglobeのSWEET PAIN。
ただしその時は曲名を知りませんでした(後でゆーくんに教えてもらった)。
ゆーくん
ほら、両方で聞いてごらん
せいげん
・・・!?
せいげん
えっ!音が頭の中で鳴ってる!!
ゆーくん
(口をパクパク)←音で聞こえない
両耳で聞いたのは、恐らく30秒程でした。
せいげん
(なにこの感覚・・・)
頭の中で音がクリアに鳴り響くという、人生で初めての経験に衝撃を受けました。
もちろん曲も良いのですが、それよりも私は音に興味を持ちました。
せいげん
(・・・この音をじっくり聞きたい!)
そんな思いが、せいげん少年の中をぐるぐると駆け巡るのでした。
後日
駅前のレンタルCD店まで自転車で10分ほど。
入り口からまっすぐの場所にシングルCD(8cm)の棚があり、店の奥には週間ランキングトップ30のコーナーが。
せいげん
えっと…あ、これこれ。
無事、SWEET PAINのレンタルに成功したせいげんでした。